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第37話 最悪な再会

Author: marimo
last update Huling Na-update: 2026-01-06 20:02:53

 凛夜と真琴の笑い声、冬真の落ち着いた声、グラスの触れ合う音。

 楓のいるテーブルは、店の喧騒の中でもほどよく落ち着いた空気に包まれていた。

 冬真が楓のグラスに軽くシャンパンを足しながら、柔らかく言う。

「緊張、ほぐれた?」

「ええ……だいぶ。ありがとう」

 楓が微笑み返そうとした、その瞬間だった。

「――新規二名、ご案内しまーす!」

 スタッフの声が店内に響き、

 店の入り口方向から二つの影がこちらへ歩いてくる。

 楓は何気なく視線をそちらへ向けた。

 そして――呼吸が止まった。

(嘘……でしょ……)

 明るいライトの下、案内されてくる男女。

 男は黒のジャケットを羽織り、

 女は白のミニワンピで男の腕にしなだれかかっている。

 その二人が、向かいのソファ席へ座る。

 ――亮と亜里沙。

「……っ」

 楓は指先まで一気に血の気が引くのを感じた。

 隣に座っていた真琴も気づき、息を呑んだ。

 凛夜と冬真も、楓たちの視線を追い、向かいの席に視線を止めた。

「……あれ、もしかして」

 冬真が低く呟く。

 亮と亜里沙は、楓たちの存在にまだ気づいていない。

 だが、離れていてもすぐ前の席だ。時間の問題だった。

 場の空気が一瞬だけ張りつめ、楓はうつむきかけた。

 そのとき、冬真が楓の耳に口を寄せて言う。

「――楓さん、アイツ……女が変わったんですね」

「え……っ?」

 耳元への囁きは優しいのに、その内容は鋭くて、楓は思わず冬真を見上げた。

 冬真は楓のグラスにシャンパンを注ぎ足しながら、

 片目を閉じてウィンクする。

「僕、前から楓さんのこと、いいなって思ってたんですよ」

「……!」

 思わぬ言葉に目を丸くする楓。

 しかし、横から真琴がすぐに腕をつかんだ。

「楓、ここで動揺したらダメよ」

 真琴は声を低めて続ける。

「“あんたなんてもういらない”って態度、貫くの。……ね? 楓先生」

 ――楓先生。

 その言葉で、楓の背筋は自然と伸びた。

 医者としての顔、毅然とした姿勢。

 それが心の支えになる。

「……わかった」

 楓は深く息を吸い、

 亮の姿が視界に入らない角度へそっと顔の向きを変えた。

 冬真の方を向き、穏やかに微笑む。

「冬真くん、さっきの……どういう意味?」

 冬真もその空気を読み、身を寄せるように楓へ向き直った。

「言った通りだよ。前回来
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